鹿嶋市(かしまし)は、茨城県南東部の鹿行地域に位置する市。人口は約6万7千人。
常陸国一宮である鹿島神宮の鳥居前町として古くから知られた。太平洋と北浦、さらにそこからつながる霞ヶ浦、利根川水系に挟まれた位置にあるため水運の要地であったが、明治時代以降は物流・旅客の中心が鉄道など陸路に移って水運が廃れ、一時は「陸の孤島」とも呼ばれた。砂が多く農地としてはやせており生活は苦しかったが、上記のように湖や川が近く工業用水が豊富だったため、昭和30年代後半、南隣の神栖市にまたがって堀込式港湾である鹿島港を建設し、重工業を誘致する「鹿島開発」計画が始動。昭和40年代以降は鹿島臨海工業地帯が形成され、鉄鋼会社や石油コンビナートが立地する工業都市となった。
特に、鹿島製鉄所を建設して、関西から関東へと進出した住友金属工業(住金)の存在感は大きく、住友金属工業蹴球団から発展したJリーグ鹿島アントラーズのホームスタジアム(カシマサッカースタジアム)やクラブハウスがあることで、関東有数の「サッカーの街」にもなった。住金の合併で誕生した日本製鉄の企業城下町と形容されることもある。