神栖市(かみすし)は、茨城県最東南端の鹿行地域に位置する市である。2005年(平成17年)市制施行。
隣接する鹿嶋市とともに鹿島臨海工業地帯を形成する。鹿嶋市・潮来市・鉾田市・行方市とともにJリーグ鹿島アントラーズFCのホームタウンである。
以前は農業と漁業が中心の「陸の孤島」と呼ばれた非常に貧しい地域であったが、1960年に始まった鹿島開発によって、掘込式人工港「鹿島港」を核に、鉄鋼・石油を中心とした重化学コンビナートが形成された。現在も工場立地企業からの税収が財政を支えている。このため、鹿嶋市との広域市町村合併構想については、自主財源の確保を理由の一つとして、反対であった。
波崎区域はアウトドアスポーツを観光の中心に据えており特にサッカー合宿が盛んである。
2003年には、有機ヒ素化合物で汚染された井戸水により、住民がヒ素中毒を起こした事件が各メディアで報道され全国的に知られるようになった。環境省は、2007年にこの原因が当初言われていた旧日本軍の化学兵器説ではなく、近年に不法投棄された産業廃棄物に含まれた有機ヒ素化合物による可能性が高いと結論づけた。なお、住民は2006年7月24日に公害等調整委員会に対して国・県の責任を認める裁定を下すよう申請を行った。同委員会は2012年5月11日に国に対する責任については棄却したが、県に対しては地下水汚染が判明してから健康被害が生じるまで住民周知等の措置を取らなかったことの責任を認める裁定を下した。