いわき市(いわきし)は、福島県の浜通り南部に位置する市。中核市に指定されている。1966年(昭和41年)成立。人口と面積は福島県内で最大である。
福島県の浜通りの南部を占める市。古代は石城国造(北部)や道奥菊多国造(南部)の領土であり、平安時代の12世紀から関ヶ原の戦いまでは岩城氏の本拠地として栄えていた。
明治初期より本州最大かつ東京に最も近い炭鉱である常磐炭田の開発が始まり、隣接する日立鉱山とともに、明治期の日本の近代化に欠かせない地域となった。鉄道の常磐線は、この地域で産出される鉱物資源を首都圏へ運ぶ重要路線として早期に敷設され、日本の主幹産業として当時の人口増に寄与した。
高度経済成長期には石油へのエネルギー革命が進み、石炭産業が急速に衰退していくと新産業都市の指定を受けるべく14市町村の大合併を行った。環境問題としては化学工場から排出されたカドミウムによる土壌汚染と地下水汚染の公害を鮫川中流域において経験した。この新産業都市は、工業整備特別地域ほどの成果を生むことはなかったが、首都圏から近い地の利と小名浜港を生かし、仙台市を抜いて東北1位の製造品出荷額(2020年度:約8,853億円)の工業都市となった。