檜枝岐村(ひのえまたむら)は、福島県会津地方南西部に位置し、南会津郡に属する村。
日本有数の豪雪地帯で、特別豪雪地帯に指定されている。平家の落人伝説が残る。
高度経済成長期を迎えるまでは焼畑が夏の風物詩であり、山菜採りを主要な収入源とした他、木地加工や狩猟も行われてきた。「星」姓は、平安遷都に伴う権力闘争に敗れてこの地に隠れ住んだ藤原氏の落人の系譜につながるとされ、「平野」姓は源平合戦に敗れた平家の落人の系譜につながるとされ、「橘」姓は織田信長に追われた伊勢治田城主・楠木正具(七郎左衛門)の一統に由来するとされている。
後述の通り、標高の高い山々に四方を囲まれた地域であるが、1960年代のダム開発と1970年代の尾瀬の観光地化によって、1980年代より農家の民宿業への転身が進んだ。1986年(昭和61年)の野岩線の東京・浅草直結に伴う振興計画により、観光地にもなっている。1979年(昭和54年)には景観保全のため、家々の屋根を赤錆色に統一。山人(やもーど)料理や年3回開催される檜枝岐歌舞伎、スキー場も観光客を集めている。山人料理は山村ならではの食材を鍋料理などに仕立てることで知られ、山菜やキノコ、イワナなどの川魚、熊やウサギ、カモなどの肉、豆腐、裁ち蕎麦などを使う。珍しい料理としては、ハコネサンショウウオの唐揚げや、トウガラシを塩漬けした「山人漬」がある。