桐生市(きりゅうし)は、群馬県南東部にある市。旧山田郡・足利郡・安蘇郡・勢多郡。伝統工芸品の桐生織を産する機業都市。市内に多くの産業遺産があり、桐生織物会館旧館を含む6件の日本遺産や、130件以上の国登録有形文化財が残されている。
群馬県南東部に位置する東毛地域北部の中心都市。1921年(大正10年)3月1日、山田郡桐生町が群馬県内3番目・県東部で初めて市制施行。2015年(平成27年)国勢調査人口は114,714人で、群馬県内第5位。昭和中期は群馬県で人口最多の市であった。群馬県東部地域の太田市・館林市とともに東毛地方拠点都市地域の中心都市に指定されている。
上毛かるたで「桐生は日本の機どころ」と詠まれるなど、奈良時代から絹織物の産地として知られる。川内町北部は古く仁田山と呼ばれ、仁田山紬の産地として知られた。川内町にある白滝神社には、この地に機織りを伝えたといわれる白滝姫がまつられており、上毛かるたの絵札には、白滝姫が機織りをする姿が描かれている。2014年(平成26年)の工業統計調査による繊維製品の出荷額は関東地方の市で最も高い。
市のキャッチフレーズは、「伝統と創造、粋なまち桐生」。絹織物をはじめとする繊維工業によって育まれた技術によって、遊技機産業や自動車部品産業など機械工業が発達した。市内に国立群馬大学理工学部が立地することから、産学官連携による次世代のエネルギー産業の育成が行われている。桐生新町重要伝統的建造物群保存地区とその周辺地区を重点区域とする「桐生市歴史的風致維持向上計画」を策定し、旧市街地を中心とした歴史的建造物と祇園祭などの伝統行事を生かしたまちづくりを進めている。
隣接するみどり市は、桐生市に所在する各種官公庁の管轄内に含まれ、県の地域区分でも同一の「桐生地区」として扱われる。桐生・みどり両市のDID(人口集中地区)は桐生市相生町とみどり市大間々町で連接しており、上毛電気鉄道上毛線・東武桐生線・群馬県道3号前橋大間々桐生線の沿線では両市境を挟んで連続した市街地が形成されている。総面積に対する可住地面積比率が低いことから、可住地人口密度が高い。2017年度(平成29年度)末の汚水処理人口普及率は96.8%で、全国平均の90.9%を上回っており、群馬県内の市町村で最も高い。