上山市(かみのやまし)は、山形県南東部にある市。江戸時代には上山藩(居城は上山城)の城下町や羽州街道の宿場町として栄え、現在は上山温泉で知られる。中山城のある中山宿は米沢藩の領地であり、重臣の横田氏が入部している。城下町・宿場町・温泉街の3つを兼ね備えた都市は、全国的にも珍しいとされる。市域は出羽国(羽前国)村山郡がほとんどだが、一部に置賜郡も含む(本記事2項の「歴史」も参照)。1954年(昭和29年)市制施行。
上山は、古くは「神山」、また現在の山形市付近に対して「上の山形」と言われていたが、延文年間(1356年~1360年)に最上満長が当地を領し、上山殿と称したことから「上山」になったと伝えられている。その後、最上満長の子孫である上山義忠が月岡に城を移し、前川の川筋を変えて城下町として整備したのが、現在の市街地の原形を成している。
上山温泉が奥羽三楽郷の一つとして栄えた起源は、長禄2年(1458年)に肥前国杵島の僧「月秀」が現在の湯町地区付近で温泉が湧いているところを発見したことによる。