南三陸町(みなみさんりくちょう)は、宮城県北東部の三陸海岸南部に位置する町。本吉郡に属する唯一の自治体である。
藤原秀衡、秀衡の四男高衡にゆかりのある地。江戸時代には仙台藩の直轄地として番所が置かれた。
宮城県の北東部、本吉郡の南部に位置し、志津川湾、伊里前湾に面する。湾内には椿島、竹島、船形島、野島などの島があり、リアス式海岸特有の優れた景観を持つ。沿岸部一帯は三陸復興国立公園の指定を受けている。
西・北・南西は北上山地の支脈に連なっており、町土の70%以上は森林である。
リアス式海岸の地形的な特性から津波の影響を受けやすく、近世以前においては平安前期の貞観地震(869年)に伴う大津波など、近代以降では、1896年(明治29年)の明治三陸大津波、1933年(昭和8年)の昭和三陸大津波、1960年(昭和35年)のチリ地震津波によって大きな被害を受けている。そのため、沿岸部には、防波堤や防潮堤、水門などが設置されている。2011年(平成23年)、東北地方太平洋沖地震によって被災し(東日本大震災)、特に大津波による被害は甚大となった。この地殻変動は先の貞観地震以来1141年余りを経て繰り返された現象と見なされている。また、この地殻変動によって当地域内の志津川地区の地盤は、水平方向に442 cm、垂直方向にマイナス75.27 cm移動したことが、GPS(全地球測位システム)を用いた国土地理院測地観測センターによる分析で明らかとなった(cf. 隆起と沈降)。