三種町(みたねちょう)は、秋田県の北西部に位置し、山本郡に属する町である。
「白神市」構想が破談となった後、山本郡琴丘町、山本町、八竜町の3町による合併を表明し、新たに合併協議会を設置した。当初、二ツ井町にも参加を呼びかけたが、同町は琴丘町・山本町と境界を接してはいるものの、その境界は山間部で、3町と二ツ井町の中心部は離れていることから、現実的でないとして断られた。二ツ井町は能代市との合併と、単独での存続の両面を模索したが、その後能代市との合併を選択した。町名の『三種』は、3町を流れる三種川に由来するものである。
三種川の由来は、大昔巡国の高僧が川の源流で白髪の老翁に出会い、その翁に高僧が川の名を尋ねると三種川と答えた物語に由来する。これは、房住山の縁起を書いた『房住山昔物語』に記録されている。
合併後の町役場は旧八竜町役場に設置されたが、交通・経済の中心は旧琴丘町の鹿渡地区である。琴丘地域の核は鹿渡、山本地域の核は森岳、八竜地域の核は鵜川と浜口(地名としては「浜田」と「大口」だが、それぞれから1文字ずつ取って浜口地区と呼ばれている)の隣接した2地区になっており、それぞれに旧役場(現町役場と琴丘地域拠点センターおよび山本総合支所)や人口集積が見られる。主に、鹿渡地区が交通と経済の核、森岳地区が観光の核、鵜川・浜口地区が行政の核にほぼ色分けされている。
じゅんさいの生産は国内生産量の約90%を占める日本一の産地である。生産の中心は旧山本町で、1986年(昭和61年)度で約270トンだった生産量は、町が転作作物として1987年(昭和62年)から3年かけて奨励事業を行ったことにより急速に増え、最盛期の1991年(平成3年)度には約1260トンに達した。しかし、その後は減少傾向に転じており、2016年(平成28年)度は約440トンへ大きく落ち込んでいる。