菊川市(きくがわし)は、静岡県の東遠地域に位置する都市である。
気候は総じて温暖で、深蒸し茶の里として知られる茶産地である。茶業のほか、茶鋏や茶摘機、自動車関連部品、精密工作機械などを生産する企業が立地する工業都市でもある。
静岡県の西部地方(東遠地方)に位置し、市の中心を菊川が流れている。更新世にはこの周辺は牧之原と小笠山に挟まれた海であり、徐々に隆起し菊川平野が形成された。北側は火剣山に代表される山地になっており、東側は牧之原台地の一部を占める。西側には小笠山に連なる山地が張り出しており、市の中心部から南側に向けてかつて城東平野と呼ばれた菊川平野が広がっている。この地域は江戸時代にはほぼ開墾されていたが、慢性的な水不足に悩まされ、現在は大井川から取水した水が菊川市の水源になっている。旧小笠地域は静岡県内でも最も晴天率が高いという調査結果があるように、古来旱魃に見舞われてきた歴史がある。現在では田畑の都市化により、増水時の河川の流量が増え、水害の危険性は高いといわれている。