大野市(おおのし)は、福井県東部に位置する市(自治体)である。1954年(昭和29年)市制施行。
福井県内の市町の中では最大の広さを持ち県面積のおよそ5分の1を占める。市街地はかつての城下町の面影を強く残し、越前の小京都として知られる。市のブランドキャッチコピーは「結の故郷(ゆいのくに)」で、生活や地域が結びつきながら、ゆっくりと営んできた大野を表したものである。
城下町としての町並みを残した観光地として知られ、天空の城である大野城趾や春分の日から大晦日の間に七間通(しちけんどおり)で開かれる七間朝市などが知られている。名水を活かした日本酒や越前そば、でっち羊羹などの名産もあるが、福井市内からの交通アクセス、とりわけ公共共通機関でのアクセスに難があり、宿泊施設も少ないため県内の他の観光地に比べ集客が伸び悩んでいる。
日本有数の豪雪地帯であり、特別豪雪地帯に指定されている。非常に積雪量が多く、九頭竜ダムなど大規模な人工湖も点在するが、その膨大な水量とは裏腹に名水と謳われる市街周辺の湧水や河川伏流水は道路などの消雪のためにも汲み上げられ、水不足が懸念されるといった皮肉な状況となるため、河川表流水を含めた総合的な水利用のあり方を模索している。