笠岡市(かさおかし)は、岡山県の南西部にある市。隣接する広島県福山市と歴史的・経済的に深い結び付きを持ち福山都市圏を構成している。
瀬戸内海に面し、南には広大な笠岡湾干拓地と大小32の島々からなる笠岡諸島が広がる。1952年(昭和27年)市制施行。
「笠岡」の地名は、吉備氏の一族「笠臣氏」の勢力範囲であったことに由来するとされる。隅田川・今立川などからの土砂が堆積した堆積平野を基盤に、近世以降は福山藩などによって干拓・埋め立てが行われ現在の市街が形成される。
瀬戸内海の中央で主要な潮待ち港であった鞆の浦から近い良港を持ち古来より海運業が栄える。山陰地方の日本海と山陽地方の瀬戸内海を結ぶ陰陽連絡街道の一部であり、中国山地の東城(現庄原市)と笠岡を結ぶ東城街道も作られ荷揚港の役を果たした。また笠岡市金浦の魚市場から高梁市吹屋地区へ鮮魚を運んだ魚荷道「とと道」の起点ともなった。とと道は明治期に「魚仲士(うおなかせ)」と呼ばれる運搬役が金浦から矢掛、美星、成羽などを経由し銅の生産で繁栄した吹屋地区までの約60kmをリレー方式で12時間かけて結んだ。