運動会での子どもの撮影方法
How to photograph children on Sports Day

運動会での子どもの撮影方法

この記事ではご自身のお子さんの運動会の撮影係となったお父さん・お母さん向けに技術的な運動会の撮り方を紹介しています。
場所撮りの方法や必要機材の確認用にぜひご活用ください。

Created Date
2023-12-13
Modified Date
2023-12-13
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【ポイント】お子さんの出るタイミングと内容を確認し、撮影ポイントを決める

事前に運動会のプログラムを確認し、ご自身の子さんが出場するタイミングにチェックを入れましょう。
また、プログラムによってベストポジションは変わってきます。プログラムごとのベストポジションは次のとおりです。

競技別の場所取りと撮り方ポイント

競技別の撮影ポイントを紹介します。ただし、撮影当日は子どもの誘導をする先生方などや卒業アルバム用の学校カメラマンの方がグラウンド内を様々動いているはずです。
運動会当日は、スタッフの方の動きも確認しながら、同じく場所取りをしている他の保護者の方とも意思疎通をとり、臨機応変に対応するとよいでしょう。

50m走・かけっこ・徒競走の撮り方

直線を走る競技であれば、撮影ポイントは以下のとおりです。

スタート地点(より少し先)

スタート地点のすぐ近くの場合、撮れる写真や映像やスタート直前のものとなりますので、走っている瞬間を収めることは難しいです。躍動感のある走っている写真を撮影するには不向きと考えましょう。

スタート地点のすぐ横ですと子どもたちが横に並んでいる関係から他の走者が被ってしまうことを考えられます。(ご自身のお子さんが客席側の端である場合を除きます)

その点を考えると、スタート地点より少しゴールよりの地点が良いでしょう。スタート直前の緊張感のある様子と、スタート直後の走っている様子を撮影することができます。スタート直後であれば他の走者が被ってしまう確率も低いです。

コースの中央付近(おすすめしません)

この地点は撮影場所としてはおすすめしません。ご自身のお子さんよりも足が早い子が客席側を走っていた場合、足の早い子がご自身のお子さんに被ってしまう場合が高いです。

ゴール付近(おすすめ)

おすすめな撮影場所はゴール付近です。可能であればご自身の子さんが事前にどのレーンを走るかを確認し、そのレーンの正面付近で待ち構えていれば、正面からの撮影なので他のお子さんが被る可能性も少ないです。
ただし、ゴール付近の場合学校の先生方や学校のカメラマンさんが撮影場所としている可能性が高いです。事前にそれを確認して、お子さんが被らないようなベストポジションを見つけましょう。

うまく場所を取ることができれば、走っている様子とゴール直前の顔の表情などを撮影することができます。

リレーの撮り方

カーブのあるリレーの撮影は、カーブ付近で撮影することで躍動感のある写真を撮影することができます。
リレーの撮影に関しては他のお子さんが被るかどうかは運の要素がとても高いのですが、スタート地点以外では散り散りになっているケースが多いので、撮影はしやすいと思います。

向く方法が決まっている団体競技(組体操等)の撮り方

組体操など、事前にお子さんの向く方向が決まっている場合にはお子さんの組の近くに陣取るとよいでしょう。一言組体操と言っても様々な動きをすると思いますので、必ずしもお子さんの組のど真ん中である必要はありません。
ただし、あまりにも鋭角な場合は、他のお子さんが被ってしまうことが考えられますので、その点は注意が必要です。

グラウンドの内側を向きやすい団体競技(玉入れ・棒倒し・騎馬戦等)の撮り方

団体競技は概ね、お子さんが向く方向は明確には決まっていないケースが多いです。
正直これらの撮影の場合、どこから撮影しても他のお子さんは映り込みますし、ご自身の子さんの表情を捉えることは難しいです。
この場合、ベストポジションに入ることができるのは学校から依頼を受けているスクールカメラマンだけですので、ファインダーを覗きながら「もし良いタイミングがあれば写真を撮ろう」といった程度で構えておくとよいでしょう。

【ポイント】運動会を撮影する際のカメラの設定

動きの早い被写体を捉える場合、シャッタースピード優先かスポーツモードで撮影することをおすすめします。スポーツモードの場合、最適なシャッタースピードなどを自動的にカメラが割り出してくれると思いますが、シャッタースピード優先の場合は、シャッタースピードを1/400以上の速さで設定することをおすすめします。
その他絞り(F値)は好みにもよりますが、F5.6以上に絞ると良いでしょう。太陽光のある明るいロケーションなので、開放ではなく、少し絞り込むことでよりパキっとしたきれいな写真となります。

また、シャッターボタンを押している間は、シャッターを切り続ける(写真を撮り続ける)連写モードで撮影することをおすすめします。動きの早い被写体を撮影する場合にはひことまずつ、「手や足のバランスが良いか?」「瞬きはしていないか?」などを確認しながら殺意する余裕はありません。
シャッターを切っている間に気にすることは、ファインダーの中にきちんと想定する画角で被写体が入っているかと、できるだけ長時間被写体を追い続けることができるかという点です。

レンズの手ぶれ補正は音にして、ISO感度はオートで問題ありません。

【ポイント】運動会撮影で使わない・使うべきではない機材

学校で禁止されていることも多いと思うのですが、三脚・一脚は不要です。最近のカメラの手ブレ補正機能はとても優秀ですので、手持ちでも十分手ブレのない写真撮影できます。

もしそれでも、写真がぶれてしまう場合は、撮影時のシャッタースピードの確認、撮影当日の天候の確認(曇っている場合など、暗い場合はシャッタースピードが落ちることにより、ブレやすいです)、ピントが合っているかの確認(ピントのズレは「ブレ」ではありませんが、念の為記載しておきます)をしてみましょう。

また、フラッシュ(ストロボ)に関しては禁止されていないと思いますが、これもおすすめしません。運動会のような晴れた日の場合、太陽という十分すぎる明るさがあります。もし「ぶれないように」という理由でフラッシュを使用するのであれば、上記の理由から不要になります。

また、フラッシュの光で子どもたちの気が散ってしまうというケースもありますし、それを不快に思う保護者の方もいるかと思います。
テクニカルな面からの理由とすると、晴れている場合強く影が出てしまって顔に影が落ちてしまうということが考えられます。フラッシュを焚くことで、その影を落とすということは技術的には可能です。
ただし、晴れた日に被写体に太陽光出できた影を打ち消すほどの光量を当てる事ができるフラッシュは、業務用の大型ストロボだけです。また、顔に影は落ちるとはいえ、グラウンドの地面に光が反射して実際顔が暗くなりすぎるということは少ないですし、フラッシュを焚くと妙にのっぺりした写真になってしまう場合もありますので、仕上がりが不自然になりやすいです。

もし影を気にされる場合には、RAWで撮影後、RAW現像時に暗い部分を明るくするなどの処理をされる方がより自然に撮影が可能です。

【ポイント】カメラの充電・メモリーカードの空き容量を事前に確認する

運動会は一日中カメラを手に持って撮影することになると思います。前日にバッテリーはフル充電にしておき、メモリーカードの中身もパソコンに移動したり予備のメモリーカードを用意するなどして対策をしておきましょう。

運動会撮影におすすめの機材

運動会のように、晴れた日の屋外で撮影する場合の機材を紹介します。

レンズは望遠レンズ(暗いレンズも可)

運動会撮影の特徴として、被写体との距離が非常に遠いことが考えられます。そのため、写真もビデオも望遠レンズの有無が要となります。屋内イベントの違いとして、晴れの日の屋外での撮影となりますので、所謂暗いレンズでも対応できます。

一般的な一眼カメラの望遠レンズとして、70-200mmとなっておりますが、大きなグラウンドでは足りないケースが多いです。

おすすめのレンズとしては、

【キヤノン RFレンズ】

RF100-400mm F5.6-8 IS USM
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
RF200-800mm F6.3-9 IS USM

【ニコン NIKKORレンズ(Zマウント)】

NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
NIKKOR Z 180-600mm

【ソニー Eマウントレンズ】

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS

【フジフイルム Xマウントレンズ】

XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR

※富士フィルムのセンサーはAPS-Cのため、焦点距離は約1.5倍になります。

これらのレンズになります。
また、グラウンドは砂埃が舞っているケースが多く、グランドでのレンズ交換はできるだけ控えたほうが良いです。カメラ内部に砂埃が入り込み、センサーに付着してしまうと写真写りに影響が出てしまうほか、カメラにも良くありません。

もしカメラを複数台持っている場合には、お弁当を食べている様子や正門前の看板などを撮影するスナップ用の標準レンズを装着したカメラと、グラウンド上での競技を撮影する望遠レンズを装着したカメラ、計2台で撮影するという手もありです。

必要ならレンズをレンタルしましょう

先述したおすすめのレンズは望遠レンズや超望遠レンズと呼ばれるレンズとなっており、正直なところ運動会以外ではなかなか使用するシチュエーションが少ないレンズですし、全て安いものではありません。
そのため、レンズは事前にレンタルをするということもおすすめします。ただし、運動会シーズンはレンタル会社さんもかなり混み合いますので、早めの予約をおすすめします。

撮影機材レンタルで有名な会社は以下のとおりです。

書き込み速度の早いメモリーカード


動きの速い徒競走やリレーなど、連写モードで撮影をする場合、書き込み速度の速いメモリーカードが必要になります。とはいえこれは、撮影する際の画質の設定(一枚あたりのファイル容量)によって必要な速度が変わってきます。
今お持ちのメモリーカードが連写に対応しているかを確認するかには、運動外の当日に撮影する画質の設定にして、連写モードで20〜30枚程度連写してみましょう。このテストでカードの書き込みが止まらないのであれば、撮影当日も同じ設定で撮影するという形でも問題ないでしょう。(ご自身のお子さんだけを撮影するという前提の場合です。途切れることなく連続で撮影する必要がある場合には、連射速度に耐えラエルスピードの書き込み速度の早いメモリーカードを準備することをおすすめします)

予備バッテリー

予備バッテリーも必要であれば事前に準備しておきましょう。ただ、バッテリーも安いものではないので、前日までにフル充電をしておき、撮影当日もこまめに電源をオフにしていれば、新しい機種でバッテリーも劣化していなければ基本的には1日持つと考えられます。
また、最近のカメラではUSB経由で充電できる機種もありますので、モバイルバッテリーなどに繋いで当日充電することもできます。

まとめ

以上が運動会でのお子さんの撮影方法となります。
グラウンド上での競技の様子だけではなく、目についた様子は様々撮影しておくと良い思い出になるでしょう。